恐怖のATM

ちょっと用事があって銀行のATMへ行った。
私住んでいるところから、銀行の支店までは遠いので駅付近のATMを使っている。
ビルの一角に作られた、それほど広くないスペースのATMだ。

自転車を止めて入ろうとすると、そこに独り言を言いながらウロウロしている薄汚れた作業着を着た無精髭のガタイの大きな男性が居た。見た目で判断するのはいけない事だが、俗に言う「危ない人」のオーラが漂っている。その人と目を合わさないように入口から入ると、なんとその男性も中へ入ってきた。実に間が悪い事にATMには私と男性だけ。前に操作している人もいなければ、後ろに並ぶ人も居ない…。

私はとっとと用事を済ませて帰る事に焦りまくった。
するとその男性が私の隣のATMを使い始めた。
相変わらずブツブツ独り言を言って言えるが、どんどんその声が大きくなっている。
そして機械を操作しながらも「なんでだ！！」と作業を続けている。
早くこの場から去りたい私。
いやそもそも男性が入って来た時、今日は止める！の判断をするのが正解だったかもしれない。が…今となっては後の祭り…。

こんな時はひと操作ひと操作が長く感じる。

隣の男性は「なんでだ！馬鹿野郎！！」と機械に怒鳴った。ひやぁ〜っ。

私は男性の怒鳴り声が何よりも怖い。
早く！！早く！！記帳終わって〜〜〜〜！！と心で叫ぶ。
こんな時に限って、記帳する項目が多い。

するとその男性。
その場を去ると思われたが、なんと私の後ろのピタリとついた。

こ、こ、こ、怖い。:(；ﾞﾟ’ωﾟ’):

おいおい！ソーシャルディスタンスを守れ！！
距離近いよ！オッサン。(年齢は分からないが…^^;)
心の中で訳のわからない反論をする、最弱な私。


心臓がバクバクする。
万が一の事を想定した。
通帳やカードその男性から死守？するよう様にバッグへ詰めてダッシュでATMを出た。

入口に2、3段の階段があるのだが、慌てている私はその階段を飛び降りた。
身体がガクガクする…。
逃げるように自転車を走らせたが、まだ鼓動が激しい。

幸いすぐ前には交番があるから、何かあったら駆け込むなんて事も視野に入れた。

家に帰って、手洗い、うがいをして、水を飲んで、タバコに火を付けた。
怖かった〜〜〜〜〜！！
殺されるかと思った…(大袈裟な…^^;)

今この日記を書きながらも、怖かった場面が浮かぶ。

ん？が、それってあの男性。そもそも悪い人なのか？？
何か思うようにいかなくてブツブツ独り言言って機械八つ当たりしただけでは？
若しくはその機械の調子が悪いから、私が使っている機械の方へ並び直したのでは？

ハナっから、その男性を「悪人」扱いで書いてしまったが…。
薄汚れた作業着だって、仕事の合間に急にお金が必要になったからATMに来ただけででは？ただ単純にあの男性が使ったった機械の調子が悪いだけだったとしたら？？

私は「強奪される」的な思いの駆られて、妄想ワールドに入っていたが…。
私の勝手な思い込みで、一人パニックになっていた可能性もある…。

でもあの密室での大声での「なんでだよ！！」はやめて！
マジで怖いから…^^;
その後私の後ろつくのもやめて！！
死ぬかと思ったから…^^;

何はともあれ無事に帰れて良かった。