痛みは遅れてやってくる。

あれは今週の月曜日だったと思う。
いつもの様に愛車「ガンバリー2号」(自転車)でささっと母の銀行の用事を済ませ、帰りに買い物して、帰宅する途中の交差点。

信号待ちをしていた私は信号が青になったので横断歩道を自転車に乗って渡ろうとペダルを漕ぎ横断していた。(降りて渡るのが正解なのだろうか？？)
するとすごい勢いでタクシーが右折してきた…。
慌てた私はそれを避けようとして、横断歩道の上で転倒。
タクシーの運転手は転んだ私を睨み、降りてくる様子もない。
前かごに入れた荷物が散乱する。
先ずは立ち上がり、自転車を起こして、荷物をカゴに入れたいのだが…
電動アシスト自転車は結構重い。重い上に転倒し慌てているものだから、起き上がれても、なかなか自転車が起こせない。
タクシーの運転手は相変わらずこちらを睨み降りてくる気配も私を助ける素ぶりも見せない。交差点は結構な車が通れずに私が移動するのを待っている。

こんな時は不思議なもので慌てて空回りして何も出来ないのが相場なのか？？
もうどうして良いか分からなくて、泣き出しそうな私。

そこへ救世主が現れた。
「あらら、大丈夫ですか？怪我はない？？」
と声をかけてくれた30代の作業服の男性。
まずは自転車を起こしてくれた後、とっ散らかった荷物を手際良く拾い集めて「はいこれ牛乳、これキャベツ…」などなど拾い集めてくれた品物を読み上げながらカゴへ入れてくれた。
「これで全部ね？」と救世主。
「はい。ありがとうございました」と涙目の私。
タクシー運転手は「早くどけよ」と言わんばかりに私を睨んでいる。

「じゃあ気をつけてね〜」と車で私の横を通りすぎる救世主。
お名前も聞く間も無く、ろくに御礼も言えなかった…
有り難い事だ…

その時はどこも痛くなかったのだが、ここ2、3日右の脇腹から脇の下にかけて痛む。
腕を上げるのも、力を入れるのも痛い…^^;
歳を取ると痛みが遅れてやってくれると言うが、その通り。

何かするのも「イタタタ」という私に夫が尋ねる。
「どうした？」
私はチョイチョイ自転車で危ない目に遭ったりする事がある。
それは私の過失ではなく相手の車が急に出てくるとか、そんな場合が多いのだ。
我が家を出て駅まで続く道は交通量も多く、路上駐車している車も多い。
その上自転車部隊が結構走っているので、常々夫から気をつけるようにと言われている。こんな事を話したら夫から激しくお小言を頂戴する羽目になる。
伏せておこうと思って話さなかったのだが…

おしゃべりな私はつい口が滑って事の次第を夫に話してしまった。
案の定夫から激しい叱責。
「だから！！あれだけ注意しろって言ってんだよ！馬鹿かお前は」…。
「だって…」と口を挟む私を遮るように夫の叱責は続く。
「俺に怒られるとか、そんな問題じゃないんだよ。痛い思いするのはお前なんだよ！
下手すりゃ死ぬよ。いいか？死んじゃうんだぞ！！」…。

あ〜あっ。馬鹿だな私、なんで口が滑ったのだろう？？

「それでタクシー会社はどこ？ナンバーは？？」と夫。

「あのね。こちとら自転車起こすのに精一杯。そんな余裕がある訳ないじゃん」
と反論しようと思ったが、火に油を注ぐ事になるので沈黙。

「もっと周囲をよく見ろ。もっと注意して視野を広げろ！！予想しろ！！」と夫。
(免許の更新の講座でもあるまいに…)

「あのね、視野を広げろと言われても私は草食動物じゃないんだから。せいぜい頑張ったって180度が限界。」と反論しようと思ったが、これも秒殺される予感がしたので沈黙。

「もう、お前は自転車乗るな！！」と夫。

流石にそれには猛反発した。

「冗談じゃない！！重い荷物持って歩けって？馬鹿も休み休み言いなさいよ！！私の唯一の自慢は自転車の運転がうまいって事なんだから！！」
と言ってのけた後ふと思った。

果たして自転車乗るのに上手いも下手もあるのかな？…^^;

という事で、今も脇腹から脇の下までが痛い。

私が言うのもおこがましいが…
皆さんもどうぞ気をつけて下さいね。